COLUMN|ミトシバイ(仮)vol.5
2018.08.31

数ある劇団の中でも劇団OH-NENSは年一回の夏の演劇フェスティバルに照準を合わせて活動している劇団である。イギリスの作家レイ・クーニーの作品を中心に上演し、OH-NENSといえばシチュエーションコメディといった印象を抱いている方も少なくはないだろう。
そんな劇団OH-NENSが今年上演するのは小説家や劇作家など多方面での活躍を見せつつ約15年前に没した中島らも氏作の「こどもの一生」という作品。ジャンルと言えばホラーに分類されるということもあり、今までコメディを中心として上演してきた劇団のイメージに一石を投じる作品となりそうだ。


演出の1人である小室敦さん。今回の台本も小室さんのチョイスで選ばれることになったそうだ。

「例年参加していたメンバーに代わり、私中心に演出を取らせて頂くことになったということで、ならば例年と違った事をやりたいなと考え選んだのが「こどもの一生」という作品でした。OH-NENSでの上演は初めてですが、個人的には学生時代に一度上演したこともあり勝手知ったる部分があり、今回上演することになりました。」
と今回のいきさつを話してくれた。

「実はエンディングシーンにはいくつかのパターンがあるんです。有名な作品なので見たことある方もいらっしゃるかもしれませんが、一度見たことのある方は「終わり方」を比べることができるという楽しみもあります」というのは有名作品ならではの楽しみ方であろう。


今年の演劇フェスティバルラストを飾るのは劇団OH-NENSによる「こどもの一生」
映画や演劇ではメジャーである「ホラー」という題材が演劇ではどう表現されるのか。
往年の役者たちの熟練の技量が水戸の夏に一抹の恐怖を呼び込む。

劇団OH-NENS 「こどもの一生」

9月2日(日)16:00開演 15:40開場
[全席自由] 前売券800円、当日券1,000円

作/中島らも 脚色/小室敦 演出/関勝一・小室敦
出演者/西川洋司、富田紀子、佐々木恭子、小室敦、渡辺涼介、木村隆之、渡邉慶太郎、前川幸恵

●あらすじ
とある孤島・亀島にある臨床心理療養所。そこでは、様々な「ストレス」を抱えた人々が集い、ストレス治療のため「こども返り」をしていく。こどもに返った患者たちは、色々な「ごっこ」遊びを始めるのだが、遊びはついに現実となって…。
破天荒でいながらユーモアにとんだ作風で没後も根強い人気を誇る「中島らも」に今年のOH-NENSは挑みます。極上の「B級ホラー」をお楽しみください。 …あなたは笑顔のままで凍りつく…。

●お問い合わせ
http://megumi.aez.jp
https://twitter.com/OHNENS_310

第50回記念水戸市芸術祭 演劇フェスティバル

 

能村 圭太 
ONEKEYプロジェクト代表
1984年石川県金沢市生まれ。2003年、大学入学を機に水戸市に移住。大学卒業後は「プロフェッショナルファウル」に所属し演劇を続けながら、即興劇、漫才、映画監督、ラジオDJなど手広く活動。2019年春に水戸駅近郊に自分のアトリエを持つべくクラウドファンディングを展開するなど日々邁進中。
Email koinunu55@gmail.com
https://twitter.com/pf_nomu