ゆるやかなつながり「310+1シネマプロジェクト」
「310+1(ミトプラスワン)シネマプロジェクト」は映画関連の活動をしている団体・個人と緩やかに繋がり、映画を通して人や地域を元気にするために様々なプロジェクトを実行している市民団体である。2011年10月から活動をはじめて、まもなく7年。多くの方々のご支援・ご協力をえて活動が続いている。
実は水戸エリアには映画関連の活動をしている人たちが数多くいる。310+1シネマプロジェクトがはじまるまでは、それぞれの団体・個人が別々に活動しており、交流の場はなかった。それぞれの活動が充実しており、必要性がなかったとも言える。しかし、シネコンの登場とともにかつて水戸の街中に存在していた劇場が次々と閉鎖し、「水戸の映画」の活動の様子が見えづらくなっていった。ほぼ同時期、フィルムコミッションの活動が盛んになり始め、いつしか茨城県はロケ数全国一という状況になっていったが、数多くの映画の撮影が茨城で行われているにもかかわらず、シネコンで上映されない作品は水戸エリアでは見ることができない状況が露呈することとなる。
そこで映画関連の活動をしている団体・個人が情報交換をするために、茨城映画センターの本田社長と共に「310+1シネマプロジェクト」を立ち上げ、毎月1回ミーティングを行いながらオープンでゆるやかにつながる場をつくることにした。ミーティングは2018年6月で85回を数える。ミーティングの他には、自主上映会や野外上映会、ワークショップや講座などの企画・運営、撮影支援、水戸の映画史の情報収集、FMラジオ、ホームページ、SNS等での情報発信を行なっている。
この活動をしていていると水戸エリアにはどんな団体・個人がいるのかと聞かれるので、この場を借りて紹介しておく。
●「茨城映画センター」
水戸市にあり茨城県内外で映画の出張映写や配給を行っている有限会社。
●「NPO法人シネマパンチ」
水戸映画祭や水戸短編映像祭の企画運営。映画制作支援も行う。
●「プロジェクト茨城」
笠間市の筑波海軍航空隊記念館の運営など、映像による町の活性化に取り組む。
●「シネフォーラム水戸」
かつては自主上映会を企画。現在は鑑賞を中心に活動。
●「水戸映画サークル」
映画鑑賞団体。自主上映会の企画運営も行う。
●「CINEMA VOICE」
かつて水戸市大工町にあった映画館「パンテオン」の跡地で営業中のclub VOICEで、当時のスクリーンを活かして不定期にインディペンデント系の映画上映会を行う。
●「あまや座」
那珂市瓜連に2017年10月にできた茨城県唯一の映画館。座席の一部はかつて水戸市南町にあった「リードシネマ」の座席を使用
●「駅前シネマTomoa」
笠間市のJR友部駅前にある地域交流センターともべで毎週木曜日に映画上映会を開催
●「Yプロダクション」
エキストラ派遣や映画ロケ支援
など。
この他にもロケのコーディネートを行う「いばらきフィルムコミッション」や「水戸市のフィルムコミッション」など行政が窓口になるフィルムコミッションや水戸駅南口のシネコン「ユナイテッド・シネマ水戸」、水戸市内原の「TOHOシネマズ水戸内原」、水戸市曙町にある成人映画専門劇場「水戸銀星映画劇場」、さらには図書館や公民館等で映画上映活動を自主事業として行なっているところもあり、紹介しきれない。
個人の活動に目を向けると、映画ファンのほか、エキストラ活動をする人、ロケ支援をする人、炊き出しをする人、映画絵看板師などがいる。
これらの映画関連活動をしている団体や映画に関心がある個人がつながる場が「310+1シネマプロジェクト」である。
現在、「310+1シネマプロジェクト」は毎月のミーティング(誰でも参加可能)を行いながら「シネポートシアター」や「+1CINEMA:D」という自主上映会を企画・運営し、水戸の映画史のアーカイブと水戸に再び映画館を作ることを目指して活動している。
これからも「310+1シネマプロジェクト」はいつでも参加可能で退会表明も必要ない、オープンでゆるやかなつながりのプラットフォームであり続けたい。
随時、自主上映会のサポーター募集中!
https://310cinema.wordpress.com
寺門 義典
1973年茨城県出身。茨城大学卒。大学時代に地元映画館でアルバイトをする。現在小学校教諭。ボランティアで地元の映画制作に多数参加。震災後、映画団体のネットワークづくりを目的とした「310+1シネマプロジェクト」を設立。「水戸短編映像祭」「シネポートシアターMITO」等の非劇場での上映活動のスタッフをしながら水戸の映画文化の発信に尽力している。水戸のコミュニティ放送「FMぱるるん」の「シネマ倶楽部」(第1・3月曜14:00)パーソナリティ。
https://310cinema.wordpress.com