2022年末に逝去した建築家・磯崎新の没後、国内初となる大規模回顧展を開催します。当館設計者でもある磯崎は、20世紀を代表する最も創造的で先駆的な建築家として知られ、2019年に建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞しました。建築プロジェクトや都市計画にとどまらず、著作活動、芸術家や知識人とのコラボレーション、さらにはキュレトリアル・ワークを通じ、60年以上にわたり思想、美術、文化論や批評分野においても卓越した地位を確立しました。
磯崎は自身の著書『建築における「日本的なもの」』において、「グローバリゼーション状態のなかに沈殿物が発生し、これが〈しま〉をつくり、世界は無数の凝固の集合体としての、群島(アーキペラゴ)となるだろう。そのひとつの〈しま〉のつくりだされかたは、(中略)もっと多様に開発されねばなるまい」と記しています。この「群島(アーキペラゴ)」という概念はイタリアの哲学者マッシモ・カッチャーリの著書『L’arcipelago』(1997年)に端を発しています。磯崎はこの概念を構想の手がかりとし、自身の思想や実践における重要な空間概念として積極的に用いるようになりました。
「群島としての建築」と題した本展では、決して単一の領域にとどまらない磯崎の活動を「群島」の様に構成します。「都市」「建築」「建築物」「フラックス・ストラクチャー」「テンタティブ・フォーム」「建築外(美術)」をキーワードに、建築模型、図面、スケッチ、インスタレーション、映像、版画、水彩画などの様々なメディアを通じて、磯崎の軌跡を辿るとともに、自身が設計した水戸芸術館を舞台に、建築の枠を超えた磯崎の活動を俯瞰的に紹介します。
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5359.html
イベント情報
展覧会名:磯崎新:群島としての建築 Arata Isozaki: Archipelagos of Architecture会期:2025年11月1日(土)~2026年1月25日(日)
開場時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
休館日:月曜日(ただし11月3日、11月24日、1月12日は開館)、11月4日(火)、11月25日(火)、年末年始(2025年12月27日(土)~2026年1月3日(土))、1月13日(火)
入場料:一般900円、団体(20名以上)700円
高校生以下/70歳以上、障害者手帳などをお持ちの方と付き添いの方1名は無料
※年齢のわかる身分証明書などが必要です
・一年間有効フリーパス → 「年間パス」2,000円
・学生とシニアのための特別割引デー「First Friday」
→ 学生証をお持ちの方と65歳~69歳の方は、毎月第1金曜日(11月7日、12月5日、1月9日)100円
※学生証、年齢のわかる身分証明書が必要です
主催:公益財団法人水戸市芸術振興財団
協賛:一般社団法人茨城県建築士会、一般社団法人茨城県建築士事務所協会、柴建築設計事務所、横須賀満夫建築設計事務所、アビック、暁飯島工業、パル綜合設計、国際警備保障、三上建築事務所、根本建築設計事務所、清水建設、andHAND建築設計事務所、田村工務店
後援:株式会社アンドエスティHD
協力:磯崎新アトリエ、MISA SHIN GALLERY、大分市美術館、アートプラザ、公益財団法人西日本シティ財団、公益財団法人山口きらめき財団、秋吉台国際芸術村、高知県立美術館 石元泰博フォトセンター、The Estate of Jiro Takamatsu、Yumiko Chiba Associates、TANGE建築都市設計、日本図書輸送株式会社、アンドエスティ・ロジスティクス、伊東豊雄建築設計事務所、金箱構造設計事務所、くまもとアートポリス事務局、慶應義塾大学アート・センター、AAarchitects、MORF建築設計事務所、葵建設工業、加藤木工、サントリーホールディングス株式会社
ゲストキュレーター:ケン・タダシ・オオシマ、五十嵐太郎、松井茂
会場設計:日埜建築設計事務所
企画:井関悠(水戸芸術館現代美術センター主任学芸員)
お問合せ:水戸芸術館(代表) TEL:029-227-8111