今昔雅楽集 七夕の宴
2018.07.07 -2018.07.07 | 水戸芸術館コンサートホールATM

今は昔、平安京の大内裏(だいだいり)、紫宸殿(ししんでん)と仁寿殿(じじゅうでん)の間には、屋根のない大床(おおゆか)、すなわち露台(ろだい)があり、そこでは公事(くじ)を終えた殿上人(てんじょうびと)らが集って歌い舞い、酒を飲んで楽しんだと謂われています。

〈露台乱舞(ろだいらんぶ)〉。ここに千年の時を経て、平安貴族の歌舞の宴が舞台作品となって甦りました。復曲・構成は、宮内庁楽部出身の楽師、芝祐靖(しばすけやす)。氏が音楽監督を務める当代一流の雅楽団体「伶楽舎(れいがくしゃ)」の演奏は、本来の雅楽が儀礼音楽にとどまらない、豊かな表情をもった芸術であることを、私たちに教えてくれます。

奈良時代に日本にもたらされ、平安時代に隆盛を極め、現代まで受け継がれてきた伝統音楽「雅楽」。その長い歴史のあいだには、失われたものも、決して少なくありません。東大寺正倉院には、かつて使われていたはずの様々な楽器が残されており、今日伝わる古い楽譜のなかには、伝承の途絶えた謎多き楽曲も存在しています。

現代に生きる雅楽人たちは、雅楽の源流を見直し、伝統を未来に伝えるべく、廃絶曲の復曲や新作の上演に取り組んできました。平安朝随一の横笛の名人・源博雅(みなもとのひろまさ)編纂の楽譜に記された古舞曲〈曹娘褌脱(そうろうこだつ)〉。笙奏者・宮田まゆみが古代楽器・竽(う・笙の低音楽器)のために作曲した〈滄海(うみ)〉。20世紀日本を代表する作曲家・武満徹による新作雅楽の名曲〈秋庭歌(しゅうていが)〉。今に残る古典曲と失われた音楽、そして新たに生まれた音楽。

――七夕の夜、雅楽の今と昔が出逢います。

【出演】伶楽舎

【演目】
芝 祐靖 復曲・構成:露台乱舞
雑芸 白薄様
管絃 平調音取、越天楽
朗詠 二星
阿音三返
雑芸 早鬢多々良
管絃 王昭君
乱舞と今様 萬歳楽 池の涼しき
雑芸 伊佐立奈牟
芝 祐靖 復曲:曹娘褌脱 より (正倉院復元楽器版)
角調調子

褌脱
颯踏
宮田まゆみ:滄海 (正倉院復元楽器 竽 独奏:宮田まゆみ)
武満 徹:秋庭歌

*16:45から伶楽舎メンバーによるプレトークがございます。

料金:【全席指定】一般3,500円 ユース(25歳以下)1,000円

▼チケットの取り扱い
水戸芸術館
・エントランスホール内チケットカウンター
・水戸芸術館チケット予約センター TEL. 029-231-8000
・ウェブ予約 http://arttowermito.or.jp/tickets/ticket.html (要登録)
e+(イープラス) http://eplus.jp (PC・携帯)
かわまた楽器店 TEL. 029-226-0351
ヤマハミュージックリテイリング水戸店 TEL. 029-244-6661

ユースチケットについて(枚数限定)
・25歳以下の方が対象のお得なチケットです(未就学児不可)。
・ご購入いただきましたご本人様のみご利用いただけます。
・当日ご入場の際には、年齢を証明するものが必要となります。
・取り扱いは水戸芸術館のみとなります。

▼プロフィール


伶楽舎 Reigakusha

雅楽の合奏研究を目的に1985年に発足した雅楽演奏グループ。音楽監督・芝祐靖。現行の雅楽古典曲以外に、廃絶曲の復曲や正倉院楽器の復元演奏、現代作品の演奏にも積極的に取り組み、幅広い活動を展開。国内各地の他、海外の主要ホールに招聘されて演奏。古典曲や現代曲、復元曲のCD等も多数録音。現代作品や古典雅楽様式の新作として、これまで湯浅譲二、池辺晋一郎、増本伎共子、西村朗、猿谷紀郎、権代敦彦、伊左治直、芝祐靖他に作品を委嘱、自主公演で初演。2002 年中島健蔵音楽賞特別賞、CD『秋庭歌一具』で02年度芸術祭レコード部門優秀賞受賞。第16回(16年度)佐治敬三賞受賞。他に、解説入りの親しみやすいコンサートを企画し、雅楽への理解と普及に努め、子どもや小中学生のためのワークショップなども数多く開催している。なお「伶楽舎」とは「伶倫楽遊舎」、即ち、楽人の祖とされる古代中国の「伶倫」に因み、雅楽の源と新しい雅楽の創造を探求する、自由な活動を目指してつけられた会名である。
国内では、国立劇場、サントリーホール等主要ホールでのコンサートの他、全国の小中学校で公演。海外では、タングルウッド(セイジ・オザワ・ホール)、ニューヨーク(リンカーン・センター、カーネギー・ホール)、ロサンゼルス(ウォルト・ディズニー・コンサートホール)、シカゴ(シンフォニー・センター)、ロンドン(クイーン・エリザベス・ホール)、アムステルダム(コンセルトヘボウ)、ケルン(ケルン・フィルハーモニー・ホール)他、約30都市で演奏。
http://www.reigakusha.com
https://www.facebook.com/reigakusha

 


宮田まゆみ Mayumi Miyata
笙・竽
国立音楽大学ピアノ科卒業後、雅楽を学ぶ。古典雅楽はもとより、ジョン・ケージ、武満徹、ヘルムート・ラッヘンマン、細川俊夫など現代作品の初演も多く、小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ、シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団、アンドレ・プレヴィン指揮ニューヨーク・フィル他、国内外のオーケストラと数多く共演。東京、ニューヨーク、ウィーン、ロンドンなどでのリサイタルと幅広く活躍している。2016年に行った『甦る古譜と現代に生きる笙 シリーズIII』によって17年芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。今までに芸術選奨文部大臣新人賞、中島健蔵賞、佐治敬三賞、松尾芸能賞優秀賞など受賞。国立音楽大学客員教授。伶楽舎メンバー。

 


イベント情報

今昔雅楽集 七夕の宴
会場:水戸芸術館 コンサートホールATM
開催日:2018年7月7日[土]
時間:16:30開場 16:45プレトーク 17:00開演
料金:【全席指定】一般3,500円 ユース(25歳以下)1,000円
主催:公益財団法人 水戸市芸術振興財団
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
問合せ:水戸芸術館チケット予約センター
TEL. 029-231-8000 (営業時間 9:30~18:00/月曜休館)
※車椅子のお客様、盲導犬、介助犬同伴のお客様は、指定の座席へのスムーズなご案内のため予約時にお知らせください。
※公演の内容等は、変更になる場合があります。
※未就学児のご入場はご遠慮ください。
※公演中止の場合を除き、一度購入されたチケットの払い戻し、交換等はできませんのでご了承ください。
http://www.arttowermito.or.jp/hall/hall02.html?id=1460